2022年10月2日 礼拝メッセージ 「王国の分裂」

メッセンジャー:仁科宣雄師

目次

「王国の分裂」           ( 列王記Ⅰ  12章 16~24節 )

一つの組織が大きくなる時、主張の違いによって分裂することは少なくありません。 その主張がどちらも正しく、分裂した後、双方ともに発展していくことは幸いです。 イスラエルの王として栄華を極めたソロモンが、晩年、彼の心が神から離れ偶像礼拝に陥った時、神は王国の分裂を宣告されました。彼の死後、王位を継いだ息子によって分裂が現実となります。その原因を知り、私たちの信仰の歩みの糧としましょう。

Ⅰ.「御曹司」レハブアム          (12:1~15)

レハブアムは、ダビデを祖父、ソロモンを父とする王の一族に生まれました。ソロモン

の後継者として、多くの息子がいる中でその立場を誰もが認めることでした。レハブアムが王位に就くと、そこにヤロブアムが訪れ、民たちに課せられているソロモンの治世から続く過酷な労働と重税を軽くするようと願い出ました(⒓:4)。レハブアムはまず、経験豊かな長老たちに相談しますが、その助言を受け入れることができず、主に求めるでもなく、「彼とともに育った若者たち」に相談します。彼らはレハブアムを持ち上げ、「その強さをもって…脅せばよいのです」と助言し、レハブアムはその浅はかな助言を採用したのです(12:13、14)。彼には生まれながらに与えられた地位と立場がありましたが、主に聴こうとする信仰、神の喜ばれる答えを選び取ることはありませんでした。

Ⅱ.王国分裂               (12:16∼24)

レハブアムの答えを聞いたイスラエルの民は消沈し、自分たちの地に帰り自分たちの国を建て上げようと声を上げるのでした(:16)。ユダ部族とベニヤミン部族以外の「全イスラエル」は、ヤロブアムを王として任命し、事実上の独立宣言をします。こうしてイスラエルはヤロブアムを王とする北王国イスラエルと、レハブアムを王とする南王国ユダに分裂したのです。エルサレムに帰ったレハベアムは兵を結集させ、イスラエル奪還を企てますが、主は「戦うことは止めよ」と告げ、「この分裂は私が仕向けたこと…」と言う神に、レハブアムは従わざるを得なかったのです(:24)。

Ⅲ、「手腕家」ヤロブアム      (12:25∼33)

ヤロブアムはソロモンの有能な家来として高い評価を受けた人物でした。預言者アヒヤを通して、10部族の王となることを予告されていましたが、神との約束があってのことでした(11:28~31)。そんな彼が、民たちが神を礼拝するために南王国ユダにある神殿に行くと同時に、レハブアムのもとに帰るのではないか…という恐れに捕らわれ、人々が神殿に行かなくてよいようにと、ベテルとダンに金の子牛を捉え、一般の民の中から祭司を任命し、新たな祭りを儲けて偶像礼拝を国中にはびこらせるなど、主の前に大きな悪を行い続けたのです。彼には「手腕家」と呼ばれるほどの有能さがありましたが、主への恐れと主の確かな約束を信じきる信仰がありませんでした。
 ソロモンの不信仰に対するさばきとしての南北分裂を経験したイスラエルでしたが、その後もそれぞれの国は迷走を続けることになります。

結  論     

私たちは、実質王となるような器ではありませんが、霊的には、「あなたがたは選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神のものとされた民です。」とあり、「それは、あなたがたを闇の中から、ご自分の驚くべき光の中に召してくださった方の栄誉を、あなたがたが告げ知らせるためです。」と、神と民とをつなぐ使命を与えられています。常に選択が求められる世にあって、何が神の喜ばれることなのか、これまでの主のみわざを思い起こしつつ、主の喜ばれる道を選び取ってまいりましょう。

アーカイブ

目次