2022年5月15日 主日礼拝メッセージ 「信仰を養い育てる主」

メッセンジャー:仁科宣雄師

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「信仰を養い育てる主」           マタイの福音書  14:22~33

人が成長していくために「声かけ」は欠かせないものです。誰に教えられるわけでもなく 声を聞き分ける力がついていきます。特に親の声は、良くも悪くも大きく影響するようです 多くの子どもは親の叱る声にも愛情を覚えつつ、従うことで成長していきますが、親の権威 だけで子どもを自分の言いなりに従わせようとする親がいることは悲しいことです。  イエスは、12人の使徒を選び、親子以上に愛と忍耐をもって成長させていかれました。

Ⅰ.主の一番弟子ペテロ

イエスが使徒として12人の名を呼ばれた時、筆頭に挙げられたのはペテロでした。彼以外の11人は同じ漁師仲間もいましたが、3人以外は仕事も性格もばらばらで、不安を覚えながらも、自分が一番ということに常に自信と誇りをもっていました。

Ⅱ.恵みの効き目をかき消す困難   ( 14:13~21 )

イエスは多くの人々に神様の話をなさり、病人を癒されました。ある日時間も遅くなり、群衆の空腹を満たすため「2匹の魚と5つのパン」の奇跡を行いました。人々を解散させると弟子たちに船で向こう岸に渡るよう命じ、ご自分は一人で祈るために山に登られました。 興奮冷めやらぬまま湖に漕ぎ出した弟子たちは、向かい風が吹き付けて前に進めま せん。元漁師が4人いてもどうすることもできない波風でした。辺りは暗黒に包まれた夜中の3時が過ぎたころ、湖の上に何かがぼんやりと見え、近づいてきます。弟子たちは「幽霊だ」と恐怖のあまり悲鳴をあげるのでした。5,000人を養ったイエスの奇跡を目の当たりにしつつも、目の前の困難にかき消されていました。しかし、何とイエスが湖の上を歩いて来られ、「しっかりするのだ。わたしだ。恐れることはない(:27)」と声をかけられたのです。 湖の上に立つイエスを茫然と見つめる弟子たち。ペテロが「わたしに命じて、水の上を 歩いてあなたの所に行かせてください」と、大胆に願い出たのです。イエスならできると信じていました。イエスの招く声に、ペテロは船から足を踏み出しイエスを見つめながら水の上を進むその時です!強い風が吹いてきました。思わずイエスから目を離したその途端ズブッと体が沈みかけたのです。イエスは、ペテロの腕をつかんで水から救い出し、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」とおっしゃいました。ペテロは恐れに満たされて、イエスが嵐を静めたお方、風や天候をも支配するお方だということを忘れてしまったのです。 私たちも主を信じているのに、人間関係のこじれや家族の問題、突然の事故や事件、教会においても様々な問題は起きます。現実との戦いにおいて、その解決を与えてくださるのは主であること、主を疑うことなく、信頼し続ける信仰があるかと問われているのです。

Ⅲ、信仰を養い育てる主

イエスは、ペテロの勇気が肉的なものにすぎないので、大きな試練が来るならば、必ず 恐怖と不信仰に変わってしまうことを知っておられました。ペテロの元の名はシモンでした。イエスは初めて会ったシモンが、短期で移り気で、激しく行動するものであると見抜かれましたが、安定した「岩」という意味を持つペテロという名前を与えられたのです。主を信じ従っていこうという気持ちがあることだけは確かに受け取っておられたのです。

結  論   

主は、私たちを嵐のような現実、恐怖を覚えるような状況にあっても、「しっかりしなさい。わたしだ。おそれることはない」とみ声を聞かせ、イエスの主権に信頼して踏み出し続ける信仰の歩みへと、招いていてくださいます。私たちを取り巻く激しく揺れ動く現実の中で、みことばを通して語られる主の御声を聴きつつ、疑い、恐れを消し去る力といたしましょう。

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