2022年5月22日 主日礼拝メッセージ 「ペテロの信仰告白」

メッセンジャー:仁科宣雄師

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「ペテロの信仰告白」          マタイの福音書 16章13~20節

小さい子どもたちの暗記力に驚かされますが、主の祈りもその一つです。大人である私たちもその意味を知って生涯祈り続けたいと願わされます。加えて使徒信条もいつしか覚えて唱えていますが、その意味と同時に意義を知って生涯唱え続けることを願います。

Ⅰ.人々が見るイエス     (13~14節)

イエスは、ピリポ・カイサリアにおいて弟子たちに一つの質問をなさいました。「カイサリア」とはローマを支配するカエサル(皇帝)を意味し、皇帝に敬意を表してつけられた地名で、この地では、皇帝崇拝が盛んであり、また、自然神パンという偶像を礼拝する人々も多くいました。そのような町でイエスは弟子たちに、「人々はわたしのことを誰だと思っていますか」と質問されたのです。「:14節」と、弟子たちは把握している情報で答えます。概ねイエスを預言者として理解し、期待を寄せていましたが、肝心な点が欠けていました。

Ⅱ.聖霊が導く信仰告白     (:15~17)

そんな弟子たちに「あなたがたは、わたしを誰だと言いますか」と問い、ペテロは代表して「あなたは生ける神の子キリストです」と告白しました。イエスと共に過ごしているうちに、弟子たちはイエスの人格に触れ、教えを聞き、みわざを見て、イエスを神の子と確信していました。そこに「生ける」と「キリスト」を加えられたのです。イエスはペテロに「このことを明らかにしたのは、天におられるわたしの父です」と、ペテロが正しくりっぱな人だからではなく、父なる神が働いてくださったとおっしゃいました。イエスは、あえて本来の名前である「バルナバ・シモンよ」と呼びかけ、これまでの成長が神によることをも含んでいました。私たちがイエスを信じることも同じで、自分で決断したようでも、聖霊なる神が導いて下さって、イエスを主と告白できるのです(Ⅰコリント12:3)。

Ⅲ、「教会」の土台である信仰告白

このペテロの告白を受けてイエスは「あなたはペテロです。わたしはこの岩の上に教会を建てます(:18」」と言われました。ペテロは「岩」という意味があります。イエスに出会った時にその呼び名をいただいたのですが人間的に弱い者でした。彼はイエスに育てられ成長し、信仰告白を言い表し、やがて主のために命をかける初代教会の指導者となります。 イエスは、ユダヤ教の会堂での集まりとは異なる新しい集まりを主が生み出すと宣言されました。「この岩」とはペテロだけでなく、イエスの弟子たち全員を指しているとし、信仰告白を含め、弟子たちの存在そのものの上にわたしの教会を建てるとの宣言です。 そして、この教会に「天国の鍵」、=死の力にも支配されることなく、教会が判断したことは天でも承認されるほどの機能、権限をお与えになったのです。 イエスは最後に、ご自身がキリストであることが興味本位で広まることを危惧し、口外しないよう弟子たちに命じられました。この場面を境に、イエスの公生涯は後半に入ります。弟子たちにだけご自分のことを明確に理解させ、十字架に向けて進んで行かれました。 主が復活されて40日間、多くの人々に現れ、今年は今週の26日が昇天日です。最後に 託された福音を自分のものとして、確かに受け取りましょう。

結  論

今を生きる私たちも、また教会も、ペテロと同じ信仰を告白しています。改めて毎週唱える 使徒信条がテンポよく流されて終わるのではなく、この一人ひとりの信仰告白の上に真の 教会が建て上げられていくことを覚えつつ、告白させていただきましょう。

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