メッセンジャー:仁科宣雄師
「家族の救い」 ( 使徒の働き 16章 25~34節 )
家族の救いについては、誰もが祈りの課題です。同じ家族ですが、それぞれが人格を持ち、成長していく中で、お互いに自分の創造主として神を崇め、成長させてくださるお方としてその御声に従っていくことは、神の願われている家族の在り方と言えます。主の御約束に信頼しつつ、自分ができる家族への証しを日々覚えて祈り続けてまいりましょう。
Ⅰ.第二回伝道旅行へ (15:36~41、 16:1~10 )
パウロは先に設立された諸教会を再訪し、主のみわざを確かなものにしようと考えました。バルナバも賛同しますが、前回、途中で離脱したマルコ(ヨハネ13:13)を連れて行くか、行かないかで両者は激しく対立し、別行動をとることになりました。パウロはシラスと共に「シリアおよびキリキア」の順路を開拓します。神は、それぞれの心に神への愛と宣教への熱心があったことを見ておられ、二人のいさかいをも宣教拡大へと用いられたのです。福音は、はるかに広い範囲に伝えられることとなりました。
パウロの当初の願いである前回訪れた地の再訪問に続き、小アジアでの宣教を「イエスの御霊」に差し止められます。その後 パウロは「私たちを助けてください」と叫ぶマケドニア人の幻を見て、神の導きを確信し、「ただちに」現地へ向かいました。私たちは、何か問題が起った時にだけ神の声を聞こうとしやすいのですが、どんな時にもこれは「主」によっての導きなのか、主の御声を聞く必要があります。主が今日私たちを通して何をなさろうとしておられるのか、祈り求める事が大切です。私たちの考えを超えたすばらしい別の道が、主によって備えられています。
Ⅱ.「ピリピ宣教」 (16:11~34)
①リディアと家族の救い・・・主要都市ピリピですが、ユダヤ人が少なく会堂もありませんでした。皆の祈りの場であった川
岸に赴き、パウロたちは女性たちに福音を語っていると、主が「リディア」の心を開き、彼女とその家族は主を信じ、バプ
テスマを受け、彼女の家は、ピリピ伝道における拠点となりました。
②投獄の危機…パウロたちは、「占いの霊につかれた若い女奴隷」に連日付きまとわれます。パウロがイエスの御名によって悪霊を追い出すと、彼女の占いで利益を得ていた「主人たち」は、パウロとシラスを捕らえ、投獄したのです。
③理不尽な扱いにもかかわらず、真夜中、パウロたちは「祈りつつ、神を賛美しました」。他の囚人たちはこれに聞き入っています。神は、「大きな地震」により、牢獄の扉が開き、全囚人の鎖が外れると言う奇跡を起こしたのです。看守は囚人たちが逃げ出したと思い、責任を取って自害しかけますが、パウロが「彼らはここにいる」と制止します。彼らを統率するほど威厳を帯びる二人に、看守は理解を超えた不思議な事態に恐れをなし、「救われるために何をしなければなりませんか?」とひれ伏したのです。パウロは単老直入に「主イエスを信じなさい」と答え、「そうすれば…あなたの家族も救われ」ると確約しました。看守は二人を客人として家に招き、パウロたちの語る福音を聞いて、家人の全員がすぐに信じ、バプテスマを受けたのです。
結 論
主に誠心誠意仕え、宣教にいそしんでも、全て自分の思い通りになるとは限らず、かえって事態が悪化する事さえあるのです。しかし、どんな時にも、神を崇め、賛美し、祈る中で、主は働いておられ、必ず人知を超える恵みのみわざをもって応えてくださるのです。一人の魂の救いは、神の願いであり、神のみわざです。さらにその一人の家族をも救いたいと神は働いておられます。その神に信頼して祈り続けましょう。