2022年8月21日 礼拝メッセージ 「みことばによる成長」

メッセンジャー:仁科宣雄師

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「みことばによる成長」      ( テモテへの手紙 第Ⅱ  4章  1~5節 )

 知育・体育・徳育に加えて聖書は「霊育」の大切さを語ります。命の源である神の「息」を吹き入れられた「魂」をもってはじめて生きる者とされる創造主のみわざを知って成長することの大切さを覚えましょう。目的があっての教育ですが、成長した結果が見えることは幸いです。テモテは、祖母と母の祈りと信仰のうちに成長しました。その成長した姿とは?

Ⅰ.「評判の良い同労者」テモテ    

 テモテについて、「兄弟たちの間で評判の良い人(使徒16:2)」と第一印象を記すパウロは、彼の誠実、忠実、温厚で、教えられやすい柔らかな心は主に用いられる良き器になると確信します。パウロはテモテに按手を授け、テモテは神の賜物をいただきました。また、まだまだ割礼にこだわるユダヤ人に配慮して宣教者として活動しやすいように割礼を施しました。その後、テモテは、エペソ教会の指導者として奉仕し、最も晩年となったパウロから2通の手紙を受け取ったのです。「牧会書簡」とも言われるこの手紙では、テモテの働き場である、教会と神の群れをいかに導き、組織するかを手紙を通して伝えたのです。

Ⅱ.イスラエルの遺産を受け継いだテモテの信仰     

 テモテは、幼い頃から聖書(旧約)に親しみ、祖母ロイスと母ユニケの「偽りのない信仰」が宿っていました。父はギリシア人ですが、ロイスとユニケはユダヤ人であり、テモテは「偽りのない信仰」で神の国、神の祝福を受け継いでいたのです(Ⅱテモテ1:5)。これは私たちと同じユダヤ人でないクリスチャンにとって大切なことです。聖書には「信仰を継承する」ということばは出てきません。聖書がいう「受け継ぐ」対象とは、「祝福」「土地」「財産」「地位」「神の国」「永遠のいのち」などです。それを「信仰によって」受け継ぐのです。私たちもテモテのように、信仰によってイスラエルの遺産、神の国(新しい天と地)を受け継ぐ者となったのです。形だけで終わることの無い、真の「信仰継承」を祈り求めましょう。

Ⅲ.ギリシア人(異邦人)への福音の橋となるテモテ     

 主の器として成長していたテモテですが、パウロはその信仰があまり燃えていないことを歯がゆく思います。「私の按手によってあなたのうちに与えられた神の賜物を再び燃え立たせなさい(Ⅱテモテ1:6)と、教会を脅かそうとする種々の異教や悪影響との激しい状況において、「力と愛と慎みの霊」を燃え立たせ、臆することのないようにと励ますのです。
 3章では、主にあって「終わりの日」が来ること、それは人々が自己中心になる困難な時代であること。そして、みことばに対する迫害も受けることをパウロは断言します。しかし、どんな迫害に遭っても、これまで学んで確信を与えてきたみことばに立つことを教えます。
 さらに4章において、「みことばを宣べ伝えなさい。」と命じます。今、現実を生きる人たちに、神のことばはひびきません。忍耐と、寛容な心でと、相手の立場をよく理解することから始まり、「責め、戒め、勧めなさい」と、その人を神の前に引き出すことを求めていますすべてのわざにおいて、「慎んで苦難に耐え、伝道者の働きをなし、自分の務めを十分に果たしなさい。」と、この「慎しみ」とは、自己訓練、聖徒の健全という意味があり、聖霊の賜物です。どんなに吹きまくられても逃げ出さないで自己を制する力があってこそ、他人をも制することができるのです。伝道は人間の思いを超えた神の(=聖霊)の働きなのです。

結  論     

 みことばによって育てられ、成長した人は、それが土台となって、みことばを伝えることができるようになります。年月が問題ではありませんが、無理に詰め込んだみことばではなく、本当に体験を通して与えられたみことばは、必ず霊の実を結ぶことを信じて、語り続けましょう。

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