メッセンジャー:仁科宣雄師
「主の霊を受けて続け!」 ( 列王記Ⅱ 2章 1~14節 )
どの分野においても後継者選びは大切な事案です。北王国として歩み出したイスラエルは、真の神を信じない王により神の祝福から大きくそれていきました。神は「預言者」を選び、遣わして真の神の存在を語らせ、生きて働く神の力を見せたのです
Ⅰ.後継者エリシャの召命 (列王記第Ⅰ 19章)
エリヤは神の預言者として、バアルの預言者たち450人と対決し、カルメル山において火をもって答える神の力を見せつけましたが、それによって反対に迫害は激しくなっただけでなく、神の御力を見たイスラエルの民たちがその神との契約を破棄して、預言者たちを迫害していることは大きな苦しみでした。神は、まるで燃え尽きてしまったかのように気を落とし神の前に弱音を吐くエリヤを励まし、エリシャを選んで主の前に立たせるという最後の使命を与えました(19:15,16)。主のことばに従い、エリヤは、農作業をしていたエリシャを見つけると、自分の外套を取ってエリシャの肩に掛けました。これは預言者としての働きを意味します。エリヤはエリシャを自分の後継者に任命したのです。
Ⅱ.主の霊を求めるエリシャ (列王記Ⅱ 2:1∼8、9~18)
エリヤはエリシャと二人で旅をします。エリシャは師であるエリヤの最期を見届けなければという責任感と覚悟があったのです。ヨルダン川のほとりに立った時、エリヤは自分の外套を丸めて水面を打ちました。すると水が分かれて、二人は乾いた川底を歩いて渡りました。どこまでもついて行こうとするエリシャは、エリヤに「あなたの霊のうちから二倍分を下さい」と求めました。自分の非力さを知るエリシャは、単に預言者という以上に偉大なエリヤの後継者として十分な責任を果たすことができるように、エリヤにある神の霊を多く願ったのです。エリヤは、それは「難しい注文」だ」(19:10節と言い、神のなさることなのだから、神がその2倍の霊を与えるとするなら、エリシャに自分の最期を見させてくださるだろうと答えました。そして突然、エリヤは竜巻に乗って天へ上って行ったのです(:11)。突然のすさまじい出来事に、エリシャは叫び声を上げ、衣を引き裂きました。残された外套を拾い、エリヤがやっていたように水を打ち、「エリヤの神、主」(14節)を呼びました。するとまた、水が分かれました。預言者の仲間たちは確かに霊が引き継がれたことを見ました。
Ⅲ.主からのバトンを渡す者、渡される者 (エペソ 3章14∼17節、4章1節)
パウロは、「エペソの人々への手紙」において、「主の教会」の教理と理想を記しています。神は、相反する力と恨みや、憎しみ、争いによってばらばらに引き裂かれたこの世を憂えるだけでなく、全人類とあらゆる国とが神を王とし、そのご支配によって一つになることを実現させるために、イエス・キリストをこの世に送ってくださいました。主キリストはご自身の愛とご自身のあわれみを人々に伝えるために教会を必要とされているのですそのためにまず、私たち一人一人を救い、神の働きのために召してくださいました。パウロが膝をかがめて祈る「人知をはるかに超えたキリストの愛を知ることができますように」との祈りも「難しい注文」と言われるほどの難事です。しかし、この祈りに主は答えてくださいました。エリシャの前に川の水が分かれたように、歩むべき道を備えてくださいました。「しあわせなら手を叩こう、幸せなら態度で示そうよ」と勧めているごとくです。
結 論
「次世代プロジェクト」が進められていますが、信仰の先輩としてバトンを渡す人、年齢の若いものが渡される人と分けられることではありません渡。渡すにも渡される側にもなり得る私たちは、託される信仰を責任もって受け取り、それを責任もって託していく使命をもって、与えられた一日を主の一日として歩んでまいりましょう。