メッセンジャー:仁科宣雄師
「夢を解くダニエルの神」 (ダニエル書 2章 )
「初夢」には、1年間の吉凶を占う風習があるようですが、縁起物、神頼みで始まる新年が、自分たちの思いをはるかに超えた「真の神」を崇め、その御声に聞き従う日々であることを望みます。心新たにダニエルの信じる真の神の知恵と力を見ていきましょう。
Ⅰ.バビロン王の夢 (2:1~15)
異教の地、バビロンに捕虜として連れてこられたダニエルと3人の青年は、改宗を強要されても真の神への信仰を貫いていました。神は、彼らを守り、祝福し、国中のどんな学者たちよりも賢くなり、特にダニエルには夢を解く力が与えられていました。
この時代は夢を通して神がお語りになる時がありました。バビロニア帝国の王ネブカドネツァルは、繰り返す奇妙な夢のため、動揺と不眠に悩まされていました。その解決を得ようと、国中の知恵ある者たちや学者を集めました。王は「私の見た夢を言い当てろ、そしてその意味を教えよ」と無茶ぶりをします。学者たちは、恐れかしこみつつも、とても無理な要求であると述べ、神でない限り無理な不可能だと答え、自らの限界を認めると同時にできないことを弁明するのでした。王は怒って、知者たち全員の処刑が交付されます。その中には、ダニエル達も含まれていたのです。
Ⅱ.ダニエルの祈り (2:16∼23)
事の次第を知ったダニエルは、王の元に行って猶予の時間を取り付け、急いで家に帰り、3人の友だちに祈りを要請します。「王の夢の内容と意味を教えてください、皆の命を守ってください」と共に心あわせて祈りました。この「秘密」は神の領域に関わることと確信し、全能の主に寄り頼みます。私たちは、祈りながらも、これくらいなら自分で解決できる、本当にどうしようもない時には神様と、どこかで分けてはいないでしょうか?どんな時にも神の知恵と力を求め、信仰の友と心を合わせ、主の最善を求める事が大切です。
祈りを聞かれた神はその夜、ダニエルに夢の内容とその意味を教えてくださいました。ダニエルは心から神を賛美します(:19、20)。知恵と力は神のもの、神の全能が「深遠なこと」「隠されていること」「闇」、「王の心の内」にまでも及ぶことを告白しています。
Ⅲ.神による夢の解き明かし (2:24~49)
ダニエルは、王の前に出て、神が教えてくださった「王の夢とその意味」を話します。終わりの日に起こること。王の心の中に将来の不安があることを神はご存知であり、この夢を通して王に将来に備えさせようとの意味があると話します。「純金の頭に、銀の胸と腕、青銅の胴ともも、鉄と粘土の足で造られた巨大な像が、後から現れた一つの石に粉々に砕かれる」という王の見た夢を当てます。純金の頭は、今のバビロニア帝国のことで神が与えてくださった栄光を表し、足に向かって次々と支配する国が現れるが、最後に神の御手による「一つの石」が、その巨大な像を粉砕するということ。そして、神の永遠の支配がもたらされるという神のご計画が、夢が示す意味であると言うのでした。
それを聞いた王は、ダニエルを神のごとく拝します。また、知恵を与えた神こそ「神々の中の神、王たちの王」とほめたたえ、ダニエルは王に仕える大臣に任命されます。ダニエルは他の三人にも役職を与えるよう求め、共に異教の地にあって、王に仕えるのでした。
エジプトの王の夢を解き、イスラエルを飢饉から救ったヨセフを思い起こさせます。
結 論
神が与えてくださる知恵は、この世の知識や経験で得られるものではありません。神は、私たち一人ひとりに賜物を与え、神とこの社会に仕えるよう求めておられます。この世の全てを永遠に支配しておられる神の知恵と力を祈り求めていきましょう。