2025年8月24日 主日礼拝メッセージ「豊かさにひそむ罪」

メッセンジャー:仁科宣雄師

目次

「豊かさにひそむ罪」                   (列王記第Ⅰ 11章1~13節)

本日の御言葉 
  あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。
                ペテロの手紙第Ⅰ 5章7節

どのようなジャンルでも世界のランキング上位に入ってくるような人は、人知れない努力だけでなく、天性の素質も必要でしょう。一つ秀でたものがあるとそれに関わる、全ての人が豊かになることを願いますが、一人でなし得るわざではないでしょう。イスラエルは、ソロモンの治世により平和な国となり、ついにダビデ王念願の神殿も完成しました。王の祈りを聞いて、神は「あなたの父ダビデが生涯わたしだけを礼拝したように、あなたがこれからも私だけを礼拝するなら、わたしはあなたとあなたの子孫が祝福する。もしそうでないなら…、あなたとあなたの子孫を捨てる。この神殿は壊される(9章6節)」と。神は、神殿よりもただ一つ、王が神のみ前で共に歩むことを求めました。

Ⅰ.ソロモン王の知恵に驚くシェバの女王    (10章1~13節)

ソロモン王の名声は世界に広がり、外国からの訪問者たちが次々と彼の知恵を求めて来る中で、シェバの女王も訪れました。自分の直面している数々の難題をもって彼を試そうとしての訪問で、ソロモンの知恵を疑いつつも、自分の問題の解決の糸口を求めていたようです。そんな女王に対し、ソロモンは彼女のすべての問いに答えます。女王は、噂をはるかに勝るソロモンの知恵とその生活ぶりに「息が止まるほど」驚いたと共に、ソロモンを通して神が公正と正義を行うことを知って、神をほめたたえました(10章8、9節)。

Ⅱ.ソロモンの豊かさ      (10章14~29節)

ソロモンの繁栄は外国と戦って勝利した結果ではなく、外国との交易によるものでした。各国からのソロモンへの豪華な贈り物、また、ソロモン自身も外国から高価なもの、馬や戦車を購入し、強大な軍事力も持つようになったのです(10章23節)。そのソロモンが「伝道者の書」で教えます。世界一の知者も、世界無比の富者も所詮、空の空、一切は空であると(1章)…、ただ、空しいと感じることの中にも神の御手を見ることができる恵みを教え(2章)…、最後に、「神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである」と、人生の経験者として、伝えているのです。真の豊かさは、神の与えてくださる時と賜物を喜び、楽しむことであることを覚えましょう。

Ⅲ.ソロモンの罪―自分以上に神を愛さない罪   (11章1~13節)

イスラエルの繁栄には、ソロモンが多くの外国の女性と「賢い(政略)結婚」をしたことも要因しています。その女性の多くは、主が結婚を禁じていた異国の女性たちです。決して他民族を蔑むという意味ではなく、妻が拝む偶像を拝んで主から心が離れてしまいかねないからです。事実、繁栄の裏でソロモンは、妻たちを愛し、偶像に心を奪われていきました。神をなおざりにし、恵みを無駄にし、主を愛することを忘れてしまったかのようなソロモンを、神は厳しく怒られます(11章9節)。イエスが「誰も二人の主人に兼ね仕えることはできない」と言われたように、「人格的」と言われる信仰の世界においては二者に仕えるということはあり得ません。彼は決して不信仰ではありませんでしたし、神を畏れ敬う姿勢もありました。が、神から離れていく自分を知りながらその自分と戦わなかった=「自分以上に神を愛さなかった」と言い得るのです。

結 論 

神を愛して従い通すということは、決して簡単なことではありません。それができないことを罪と指摘される主は、同時に救いの道を開いてくださっています。目先のことに心を奪われて神のことを後回しにしたり、なおざりにしたりしていないでしょうか?そんな心に祝福がないことを気づかせてくださるのが真の神です。私たちが主の十字架を仰ぎ、捧げる礼拝を、喜んでくださる主の御声に従い続けましょう。 

アーカイブ

目次