2022年8月28日 礼拝メッセージ 「主の枝としての恵み」

メッセンジャー:仁科宣雄師

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「主の枝としての恵み」         ( 使徒の働き 18章  18~28節 )

近年、ブドウの品種が次々と新しく栽培されています。粒の小さいデラウエアは敬遠されがちですが、デラにはデラのおいしさがあるでしょう。これからの季節、秋の実りをいただくために、農家の方々の知り得ないところでの労苦に心からの感謝を思うことです。

Ⅰ、主に仕えるアキラとプリスキラ      (18:1~3、18~21)

 新約時代の地中海は陸路、海路の交通網、ギリシア語という共通言語、離散したユダヤ人と会堂、ローマの圧政や社会の腐敗によるメシア渇望など、福音宣教の絶好の条件が整っていました。また、民族や文化の壁も低くなり、各地にクリスチャンが移り住んでキリストを伝え、さまざまな人々が信仰をもつようになったのです。
 パウロの働きには国や民族を超えたクリスチャンたちの宣教ネッツトワークが出来上がっていたと思われます。今日は、「アキラとその妻プリスキラ」からその働きを覚えます。
 二人は「ユダヤ人追放令」によってローマからコリントに逃れ、使徒パウロと出会いました。一年半に及んでコリントの家にパウロを迎え入れ、一緒に天幕作りの仕事をし、使徒の宣教を支えます。使徒を助けることを使命とし、励ますことを喜びとしていたのです。
 ここで大切なことは、協力者はリーダーのしもべではなく、主のしもべです。リーダーは協力者を自分に仕えさせるのではなく、一緒に主に仕えるのです。単なる滅私奉公ではないのです。二人は、主のしもべとしてパウロに仕え、パウロも一緒に仕事をし(使徒18:3)、同労者として互いに仕え合いました。それが、教会であり、「神の家族」です。
 彼らは互いに信頼し合い、パウロは後に二人にエペソでの宣教を託します。

Ⅱ、アポロ(伝道者)を育てる二人      (18:24~28)

 生活を共にする中で二人はパウロから正しい福音と聖霊の知識を習得していました。
 ある時、アポロという優れた宣教者がエペソに来て、霊に燃えてイエスのことを語りました。しかし、アキラ夫妻はアポロがヨハネのバプテスマしか知らないことに気づき、彼を招き入れ、福音の真理をもっと正確に説明しました。アポロの「話し上手」という賜物がさらに用いられるために教え、励ましと愛をもって、次の宣教地に送り出したのです。アポロは、コリントに赴き、さらに力強くキリストを証しし、信徒たちを励まし、大いに用いられたのです。伝道者であるアポロに、夫婦は敬意を表しつつ、謙遜な姿で教えました。同時に、彼にも心柔らかな学ぶ姿勢があったので、多くのことを学び、またそれを分かち合うことができたのです。

Ⅲ、奉仕の祝福        (ローマ16:3~4)

 二人は、5回中4回「プリスキラ(=妻)とアキラ(=夫」の順番で書かれています。妻のほうが、信者の間で影響力が大きかったのかもしれませんが、夫婦一つとなって苦難を負いました。ローマに帰った二人は、家を教会として開放します。パウロはこの二人を「私の同労者」と呼び、ローマ人への手紙では、「いのちをかけてパウロを救った」(ローマ16:4)と証言しています。パウロから感謝され称賛される二人ですが、パウロに同行して、彼ら自身が最も祝福を受けたのではないでしょうか。

結  論   (ヨハネ3:27)          

 教会では、牧師や一人ひとりが主の枝です。木は枝が多いほど多くの実を結びますが、それぞれの枝が互いに邪魔し合っては良い実を結べません。今年の教会標語「みことばをじっと見つめてて」とありますが、残る4カ月、イエスの愛に押し出されて、「何かさせてください」という願いを神は励まし、みことばを与え、実現に至らせてくださいます。主にある実りのために祈りつつ、求めてまいりましょう。

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