メッセンジャー:仁科宣雄師
「心を動かす主のことば」 ( 使徒の働き 19章 1~20節 )
若者の活字離れが叫ばれていますが、逆の視点からみると、PCやスマホが浸透し、知らず知らず膨大な文字情報を消費しているということになります。いずれの場合も、本来人間に与えられている「思考力」を低下させ、「この地を治めよ」という神の使命にも大きく影響していくことを危惧します。心を動かし、神に向かわせる「ことば」の力に目をとめましょう
Ⅰ.エペソ伝道の開始 (19:1~10)
エペソには、すでに12人の信徒がいましたが、その信仰生活や知識は未熟でした。パウロは彼らに知識面・実際面から指導し、主イエスのバプテスマについて正しい知識を与えたうえで、バプテスマを受け、聖霊に導かれる信仰生活を整えたのです。パウロは、ユダヤ人の会堂において語り始めますが、彼らに拒絶され、ティラノの講堂に場所を移し、毎日語り続けました。エペソ滞在は2年3か月に及び、その結果、エペソのみならずアジアに住むユダヤ人もギリシャ人も、多くの人々が福音を聞くことになりました。
Ⅱ.力あるわざ (19:11~19)
加えて、パウロを通して数々の奇跡がおきました。まるでパウロに魔術的力があるように思えますが、同行していたルカは、「神は…驚くべき力あるわざを行われた」と記します(:11)。みことばが真実であることを、生ける神ご自身が示されたのです。あまりに見事な奇跡に真似をすべく、ユダヤ人の祭司長スケワの息子たちが、試しに「主の名」を唱え、悪霊に命じたのです。彼らの姿勢は、神の前にひれ伏してより頼むものではなく、その力を都合よく利用するというものでした(:13)。なんと、これを「悪霊」が見抜き、スケワの息子たちは、悪霊によって打ちのめされてしまいました。軽々しく「主の名」を扱うことに対し、神は見過ごさず、それ相応に報いる警告となりました。そして、この出来事は、悪霊さえも恐れる「力ある御名」を世に知らしめることとなり、パウロが伝える福音こそ神の真理であること、神は悪霊をも従える支配者であることが証明されました。
Ⅲ.心を動かす宣教 (:18~20)
一連の宣教活動を通し、人々の心に神への恐れが生じ、罪の告白と、憐れみを求める悔い改めを願って多くの人がパウロのもとに集まりました。そして、魔術に手を染めていた人々は、高額なその書物を持ってきて焼き捨てました。その額は今の5億円相当にもなりますが、悪い習慣を断ち切る、悪から離れることの徹底さを示しています。私たちは、「神のみこころを行います」と言いながら、「自分の都合」も捨てられないという歩みをしている者ではないでしょうか?サタンの巧みな誘惑を見抜くために、日々祈り、聖霊に示される必要があります。「イエスの御名によって祈ります」の後の「アーメン」は、「イエスを信じて従っていきます」という信仰告白に他なりません。パウロたちは力量や経験以上に御力に頼り続けました。その結果、主が大きなみわざを表されたのです。私たちが「真似る」べき姿がここにあります。この後パウロたちは死を覚悟するほどの激しい迫害に遭います。しかし、現実の厳しさを前にして「私の主」からのことばに信頼し、従い続けました。
結 論
生ける神のことばは、私たちの心を変え、主の真実を見せてくださいます。私たちの心の全てをご存知の主の前に恐れをもって近づき、従うべき主のことばをいただきましょう。主のことばが先立って私たちの働きとなるよう、共に主の御名に信頼してまいりましょう。