メッセンジャー:仁科宣雄師
「約束の虹」 (創世記9章 8~17節)
多くの人が虹を見ると、空を見上げ立ち止まります。大空に伸びた7色の虹を見たときには、なぜか、ラッキーで、ハッピーな気持ちになるようです。私たちクリスチャンには、この虹の意味がはっきりしているので、余計にうれしくなるのです。
Ⅰ、主は覚えておられる (8:1~5)
洪水が起きてから150日、波風に翻弄される中、舵や動力がない箱舟はどこに流れ着くかわかりません。ただ主の御手に任せるしかなかったのです。神は、ノアが再び大地に降り立つまで、箱舟中のどんな生き物も命が失われないように、心を留めていてくださったのです。人間を造り、この世界を治めるように使命を与えた神にとって、放ってはおけないのです。私たちの人生も様々な嵐に襲われ、自分の意にそわないところに流されているようなことに直面します。しかし、どのような時にも造られた愛情と全知全能なる神の目が注がれ続けているのです。必ず平安をもって導いてくださることを信じましょう。 大洪水を起こすのも止めるのも神でした。水は次第に引き、船は山地にとどまりました。
Ⅱ、神のことばを待つノア (8:6〜19)
船の窓から山々が見えるようになって40日後、ノアは窓から「烏」や「鳩」を放って外の様子を調べます。鳩が帰って来ないことから水がだいぶ引いたことを知りました。その後、地面が乾いていることもわかりました。しかし、ノアは箱舟から出ませんでした。箱舟に入った時のように出る時も神の命令に従おうとしたのです。ノアたちはさらに二ヶ月も箱舟の中で、ひたすら神の言葉を待ち続けました。そして、ついに神のことばがあり、およそ1年間閉じ込められていた箱舟からノアとその家族は「いっしょに」船から出たのです。誰かが我先にではなく、いっしょにです。それは船の中で喜びも苦しみも共に互いに分かち合って生活していたこと、何より礼拝を通して神のなせるわざを家族全員で待ち望んでいたのでしょう。ノアたち8人はこれから広がる新しい世界へと出て行ったのです。
Ⅲ、神の祝福と契約のしるし「虹」 (8:20~9:17)
箱舟を出たノアは、何をするよりもまず神を礼拝しました。祭壇を築いてささげものをささげ、神に感謝し、これからの新たな生活を神に従い、神と共に歩むと献身を表明したのです。神はノアの礼拝を受け入れて約束します(8:21,22)。「再び地を呪わない」「地を祝福する」との約束です。洪水によって、地はその自然の秩序を狂わせてしまいましたが、神は人の生活と農耕に必要な自然の秩序を回復させたのです。「生めよ。増えよ。地に満ちよ」と、ノアたち家族八人と、動物が一つがいずつしかない状況で、神は世界を創造した時と同じように、人間にもう一度、生き物を委ねてくださったのです。人間の罪と失敗にもかかわらず、神のご計画は変わることはないのです。そして神の一方的な愛と恵みによって成り立つ永遠の約束のしるしとして、空の雲の中に虹を立てられたのです。 しかし、それは「地の続く限り(8:22)」と限定されており、やがてその地の終わりが来ることも暗示されています。ノアによって始められた新しい世界も、再び人の罪のゆえに汚されていき、神は「火の大審判」をもって裁かれると記されています。解決は、主が送られる新しい天と新しい地以外にはないのです(Ⅱペテロ3:10~13)。
結 論
神は、すべての人の罪の滅びを解決するため、地を滅ぼすのではなく、御子イエスを犠牲にしてくださいました。虹を見る時、十字架による救いの約束を与えてくださった神と私たちにその命を差し出してくださったイエスに感謝をささげましょう。十字架の恵みの契約は、いつも思い起こしましょう。 |