メッセンジャー:仁科宣雄師
「聖霊による前進」 (使徒の働き 2章 1~13節)
ペンテコステはクリスマス(降誕祭)、イースター(復活祭)に並ぶキリスト教の3大祭りです。復活祭から50日目、大麦の収穫を祝う大切な祭りの日、神のご計画が表されました.
Ⅰ、「主イエスの約束」 である聖霊降臨 (ヨハネ 16章7~13節)
「時が満ち、神の国が近づいた」で始まったイエスの宣教は、大宣教命令で閉じられ、続いて「聖霊による宣教」が始まります。最後の晩餐の席で、イエスがいなくなることを聞いて悲しみでいっぱいの弟子たちに、イエスは「私が去ることは益である…」と、自らに代わって聖霊なる神が共にいてくださると約束されたのです。天にあってはご自身が父なる神の右に座して大祭司として働き、地にあっては聖霊がキリストの働きを成さる、という時代の到来を予告されました。その聖霊の働きとは・・・ ①弟子たちに…激しい迫害が続く中で、信仰を保ち続けるために「助け主」となる。 ②世の人々に…罪について、義について、さばきについて、世の誤りを明らかにする。 復活されたイエスとまた一緒に働けると期待する弟子たちに、イエスは「わたし以上に、確かな導きと助けとを与えてくださる聖霊を祈って待ちなさい」と命じ、昇天されました。
Ⅱ、「約束の成就」 である聖霊降臨 (使徒 2章1∼13節)
イエスが昇天されて10日後、エルサレムがペンテコステの祭りで賑わっていたこの日、弟子たちが集まり祈っていると、突然、天から激しい風が吹いてきたような響きが起こり、その音を聞いた弟子たちは、一人ひとりの上に炎のような舌が分かれて現れとどまるのを見たのです。イエスの約束の成就です。その結果、弟子たちは今まで学んだことのない様々な国の言葉で語り始め、お祭りのために各地からエルサレムに集まってきた人々は、自分の国の言葉で「福音」を聞いたのです。バベルの塔の出来事と反対で、その時、ことばを乱され各地にちらされた人々が、新約の主キリストにあって再び一つに集められることを象徴する出来事であり、同時に、キリスト教会が誕生するに当たって、聖霊なる神がイエスに代わって教会の指導者となることを示すこととなった出来事です。
Ⅲ、聖霊降臨の結果、「建て上げられた教会」 (使徒 2章14~42節)
聖霊を受けて突然、他国の言葉で話し始めた弟子たちを、「酒に酔っているようだ」という群衆に対して、ペテロは力強く説教します。「神のご計画の中で、救い主として来られたイエスをあなたがたは十字架につけて殺してしまったが、イエスは復活され、罪を赦された新しい命をお与えくださった。そのイエスに代わって今度は聖霊が私たちと共に働かれる」と…。このことばを聞いた人々は胸を刺され、悔い改める人々が起こされたのです。3000人がバプテスマを受けました。彼らは弟子たちの教えを守り、集まって神を礼拝しました。こうして教会が誕生したのです。 教会の働きは聖霊の働きです。人間の思考や感情が活動の源泉ではありませんし、特別な権力や能力で進められるものでも有りません。時代の変化と共に新しさが求められますが、聖霊の働きを私たちの思いで制限することがないように、聖霊を軽んじたり、侮ったりして聖霊を悲しませることがないように、日々主のみこころを問い続けましょう。
結 論
聖霊なる神は、今もイエスを信じた人たちの心に住み、真理を教え、助け、励まし、進み行かせてくださいます。そのように神の御力を体験し、その本質を変えられた一人ひとりが、人々の救いと教会の宣教の広がりを祈る者となり、神の教会が前進して行くのです。この聖霊を受けた喜びをもって、時代が変わっても変わることなく立ち続ける教会として、主のわざに励んでまいりましょう。