2023年12月10日アドベント第二主日礼拝メッセージ「神の力による救い主の誕生」

メッセンジャー:仁科宣雄師

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「神の力による救い主の誕生 ~マリアへの御告げ~」
                      (ルカの福音書 1章26~38節)

多くの人がイエスキリストが「処女から生まれた」というだけで、信用するに値しない、お とぎ話のようにとらえることです。クリスマスに加えてアドベントも楽しむ人が増えてきまし たが、興味を持ち、本当のクりスマスの恵みを知ることができるようにと祈りましょう。

Ⅰ.マリアのもとに現れる

ザカリアの妻エリサベツが身ごもってから6ヶ月後、ナザレに住む一処女マリアの元に御使いガブリエルが現れました。なぜ、彼女のもとに?…彼女の生涯を見る時、神に対しての信頼と感謝、人に対しての謙遜、また強い自制心と豊かな旧約聖書の理解を持っている女性であったことがわかります。夫ヨセフとは早くして死別したと思われ、それゆえにわが子への信頼は深まっていっただけでなく、「神の子」として生まれ、生きるわが子と、旧約における神のことばと合わせながら、神への畏れをもって共に生きていました。

2.マリアへの御告げ

①喜びの挨拶…「おめでとう」とは直訳で「喜べ」という意味です。御使いは「喜びなさい!あなたは恵まれている!」と。それは「神の心にかなった」という意味があります。そして、「主が共におられる」と、このことばがマリアの信じる主に関することであると言うのです。「主が共におられる」ということをどれほどの力と思うか・・・神はマリアが、この厳しい社会にあって唯一の希望としての約束の救い主を待ち続けていると認められたからこそ選ばれたのです。マリアはひどく戸惑い、「考え込む」のでした。それは、自分の思いや知識を基に考え込んだのではなく、聖書の預言を思いめぐらせていたのです。 ②イエス誕生の御告げ御使いは、マリアの名を呼んで告げられたのは「あなたは男の子を産みます」という恐るべきことでした。婚約中の段階で身ごもることは、命の危険が伴う裁きが予測されるのです。しかし、それが恵みだと言うのです。「イエス」は「主は救いたもう」という意味で、イエスが「救い」をもって全世界の支配者になると告げました。 マリアは「男の子が生まれる」と聞き、「ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。…ダビデの王座に就いて…今よりとこしえまで…」(イザヤ9・6~7)との約束を思い起こし、この約束が長い時間を経て今、進められようとしていること、そして自分がこの約束に関わる者とされたことにマリアは気づいたのだと思います。 ③全能の神の力によって…「処女降誕」は、人間の理解ではあり得ないこととですが、そ もそも神が人を造られたという「人間の原点」を信じる時、神だからこその方法をもってマ リアに子を与え、誕生したイエスはそれに続く生涯を通して救い主となり得たのです。

3.信仰による応答

神のことばは全能であると信じるマリアは、奴隷が主人の命令には絶対に従うように、「主とダビデ」との関係を思い巡らせながら、自分をはしためとし「この身になりますように」と御使いのことばを受け入れ、「主が共におられます」との約束を信じ、この力あるお方を心から賛美したのです。彼女の信仰告白である賛美が、2000年たった今も世界に必要な道徳的、社会的、経済的革命を呼び起こしているのです。

結  論

私たちは自分の幸せに始まり、世界の人々のために祈ります。その祈りの中で、自分のことばを重ねて譲らず、神の御声を聞き逃してはないでしょうか?人生の重大な局面にあっても神を主語に置いて、「どうぞみこころのままに」と言い得るために、神が私に何をしてくださったか、これからわたしを通して何をなさろうとされておられるのか、神のことばを思いめぐらせつつ、主の御降誕を待ち望みましょう。       

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